• 15:56 still tired

非生産的で無意味な暮らしを漫然と受け取るだけ。

適当に相槌を打ち、時間を潰して。何もしなくても時間は過ぎてしまう。生きているのさえ無駄な事に思える。

他人の言葉を、借り物で仮初めで嘘の言葉を、演技めいた台詞で話せば、自分が傷付かずに済むなんて言って、嗤う。

それは確かに自己防衛になるのだろう。でも他人から受ける表面上の傷より自分で付ける内部からの傷の方が余程、非道い。

過剰防衛で免疫も抵抗力も減退気味。こんな奴が生きていても仕様が無い、って、そんな、言って、どうなる。

傷付けられたとか言って、生きているだけで世界を傷付けるなら、いっそ壊してしまおうか。



――口に出さずに想起した、過去への憐憫。今でもたまに囚われてしまう、浅はかさ。



人目につかぬように隠匿された心の闇を、わざと引き摺り出した。湿り気を帯びたまま暗い淵に置き去られた記憶は、黴臭くて得体の知れぬ胞子に包まれていた。それを綺麗に拭って乾かしても元には戻れないだろうし、再び表に出す機会もないだろう。

此処には二つの鼓動しか無いから、なんて、そんな優しい言葉はこの口からは出なかった。



反発して分離した油と水は、融解せずに遊離した。

機能維持の努力を怠ったなら、基点は第三象限へ。

巻き返し、巻き戻し、リプレイ。

この時間を繰り返せる筈など無い。二度は無い。

無意識の意識。無会話の会話。

無いのに、在る。

確かに、在る。