昔、考えたこと

――光について
光が無ければ僕が君を見たとしても、真っ暗闇の五里霧中。
影が無ければ僕が君を見たとしても、真っ白なのっぺらぼう。
だから僕は感謝する。
光があること、影があること、そして君の顔が見れることを。


太陽が昇って海に沈むとき、笑った君の顔も少し陰ってしまった。暗くなったから、泣き顔を見られる心配なんてしないで、少し泣いていた。声で分かるけど、言ってやらなかった。
けれど、昇らない陽は無いし、また君の冷たい頬に光は射すだろう。眩しくて目を細めたら、愚痴だって零せるだろう。
僕はそれを横で笑って聞いていたい。手を当てて頬を暖めてやりたい。