孤高なる栄光

  • 02:11

足跡、迷子=ロストマン
眩しさ=sailing day
覚悟=バトルクライ
位置=ハルジオン
声、温もり=ランプ
傷跡=ダイヤモンド
照らされる=ノーヒットノーラン、リリィ
連想ゲームの様だが、脳裏に浮かんだのは多分私だけではないだろう。

此処に来てBUMPはまた不変の存在を知らしめ、普遍の名曲を世に送り出した。これまでの歩みを糧にして再び歩き出した。立ち止まりながら歩き続けていた。早目のBPM、16ビートという新たな挑戦。sailing dayロストマンの一歩先の曲と言って良いのかもしれない。

まるで自分の事を指してるみたいに感じた。俺の事を言ってるんじゃないかって思った。

時々たくさんの人の中で、楽しい筈なのに、ふと感じる淋しさ。取り残された気分。一人で居るときよりも触れていたいと望んでしまい叶わぬと知ったときのあの感じ。
眠れずに過ごした夜に震え、朝を迎えたときのやるせなさ。周囲が動き出しても自分だけ身動きの取れない状態でいる事に覚える不安と焦燥。

それが自分の所為だと知っていながら…いや、知っているからこそ他人を拒絶して、自分自身にも悟られぬ様に目も耳も塞ぎ孤独を望んだ。
それなのに何処かで呼ばれてるのに気付いた。声と光。目も耳も塞いだのに、どうしてだろう。

照らされる方が恐怖だと知って、逃げも隠れもせずに覚悟を決めて、待つ事から歩みを選ぶ。

誰もに笑われも恨まれもしない生き方なんて、死んでいるのと同じだと、そう確信出来た。夜は明けるのに、また朝が来るのに、あのとき感じた震えも何故か失せていた。

光に導かれ歩き出した。覚束ないながらもしっかりと。

前も後ろも解らずに気付けなかったSOS。気付いたあとでまた見失って見殺しにしたかの様な罪悪感。それを直視したくなくて次第に死んでいった感情と感覚。
傷跡に落ちた雫は涙だろう。僅かに動いたそれが、死にかけのギリギリでそれに応えてくれた様に見えた。他の誰の目にも手遅れ、でも僕なら違う。
一度離れてもまた出会えた。気付けなかったら気付かなかった事。一人でも独りじゃない。
勝ち取りに、掴み取りに出掛けるのだ。進まねば得られぬものもあるのだ。選ばれぬと嘆くよりも思い知らせてやれ、選ぶのはこちらの方だと。

解った気がする。何処かで呼ぶ声は内なる声。一番近くて遠い場所。その彼方より飛来する光は内側から輝いて飛び出した光。失くした事に気付かなかったそれを再び自分のものとするのだ。それこそが自分というものの破片を集める作業。それこそが自分の生きていく覚悟。

それを俺は栄光と呼ぼう。


not dead