ミッドナイト・ブルー

寝息をたてる。はやく眼の下の熊を捕れ。がおー。違う。隈を取れ。鼾(イビキ)はかくな。ぐごぉー。寝れねぇ。眠いのに。隈なき月、満ちる月。ヘッドフォン付けて夢に落ちりゃ、昨晩からうお座を127回エンドレスリピート。奇特にも熟睡したのは、その所為か、この成果。まるで海底、真っ暗な深海、酸素の足りない世界に放り出されたみたいで。未体験の世界なのに、何故か安堵を覚えて。シーラカンスに、生きた化石になりたい。死んだ後も名を残そうなんて欲のかきすぎ、か?自分で望まなくても勝手に残るだろ。煌々と光る朝日に照らされ眼を開けば、真空の中で血液が沸騰するような焦燥感。苦しくてまた眼を閉じて沈んでった。いつか浮かぶ筈。夏の池に水死体がガスでぷかりと浮かぶみたいに。