現在地を見失う前に

振り返る

その作業が必要か不必要か。
そんなことどっちだろうが構いやしない。


長いこと書かなかったが、日々が充足していると言うには足らないし某かの不満が特別あるでもない。日々は単に忙殺と黙殺の連続である。
新しい環境は快適そうに見えて大した面白味は無い*1。大して話したことのない女の子の笑った顔を思い出して漸く笑えたくらい。
最近では夜を歩くのも人目があるから止してしまう。毎日が簡単に過ぎる。


太宰治の「桜桃」を読んでいて、

ヤケ酒というのは、自分の思っていることを主張できない、もどっかしさ、いまいましさで飲む酒の事である。

とあって、同時に、女に酒飲みが少ないのはハッキリ主張できる(確信(自信)の強さ、自己肯定のすさまじさ、に依る)からである旨が書いてあって、確かにそういう部分もあるが、それがすべてではないだろうという曖昧模糊とした主張の無いのっぺりとした文章を書いている俺は今酒を飲んでみたいと思って、慾望に従属する。一人で飲む酒の何が美味いのか未だによく解らない。

部屋にテレビは置いてあるがケーブルを買ってないから砂嵐しか映らない。ラジオばかり聴いている。大して好きでもない音楽が垂れ流されている、そんな中に混じって大好きな音楽が流れると泣きそうになってしまう。そういう感覚を少し忘れていた。テレビを観過ぎると感覚が麻痺していくという弊害が確実にあると思う。少なくとも俺は鈍麻していた。






以下、携帯にメモされていた取り留めのない文

  • 何もかも面倒になってしまうのは総て俺に責任があるのであってメールや電話の返されなかった誰にも問題はない(それを伝える術を俺しか有していないのが最大の問題だ)
  • 事象は降るように訪れます
  • 慾望を吐き出した塊はドス黒い感情になるだろう
  • 何も伝えるべき言葉がないから、俺はもう何も言いたくもないと思っていた。上に書いた言葉は、棄却すべき丸めた屑を広げて伸ばして出来るだけ綺麗にして見せてみただけのこと。

*1:「面白味はない」という言葉、嘘は書いていない積もりだが、ここのところ金曜日はいつも誰かと酒を飲んでいた。誘われるということが嬉しかったし、その場限りの瞬間的な可笑しさを欲しがった。そうやって金を使い過ぎて後悔する。想定より代償が高い。早く帰ればいいのに最後まで残ってしまうのがいけない。ケチとかじゃなく金が無いのに遊び続ける自分は野垂れ死ねばいい。煙を浴びて臭いの染みた服を部屋で脱ぐと憂鬱になる。全く、笑えるぜ。