永遠に君は他人だから

三寒四温などと言うが、そんな日々だ。昼過ぎから雨だった。息を吐いたら白くて笑ったら、それも白く広がって、すぐ消えた。花の匂いも雨に消されていて、それを少し寂しく感じた。寒いからパーカーのフードを被った。僕には似合わない。冷たい雨は僕にとって憂鬱さを増幅させる。


人並みの感情を手に入れて誰かの為に泣いたりする夜を何度か通り過ぎて、今「何も感じないさ」と歌ってみたのは、思い出したくもないことを思い出すから。感じなくなりたいから。
人並みの感情を捨てたとして、それなら、何でまだ泣いてるんだろうな。
機械が再生した音声を何度も繰り返し聴いている。僕の感情は死んだ儘で、音楽はいつもと同じように鳴っている。僕を打ちのめすのは音楽じゃなくて僕の感情だから、死んでいる現在は打ちのめされない…と思った、のに。どうだ。打ちのめされて参ってる。まだ、生きてやがった。

この間、別のところで書いていた昔の日記を読み返したいという要請がきて、自分でも読み返してみたのだけれど、どうにも恥ずかしい。無様な醜態を曝しながら思い付いた言葉の羅列をなぞっていただけの、それを。


暗い言葉を吐くとその言葉の発信源も暗い奴だなんて勘違いされちゃったりするから、うんざりする。暗い言葉は押しやられて、書かなくなっていった。勘違いされないように、くだらなくてどうしようもない書き方をしてアホを演出しているように見せかける本当のバカだった。それは、そんなに隠すようなことじゃないんだと漸く解った。
別に暗いとか勝手に思えばいいし段々どうでもよくなってくるな。僕は一緒に居てそんなに面白い人間でもないし。暗いって言われるなら暗いんだろう。死ぬほど楽観的なのにな。


昔からそうだけど以前に増して母親と話す度に苛々が募る。疲れてるときに疲れている人と話したくはない。でも、疲れさせているのも僕だから、そこは申し訳なく思う。父にも。
苛々の原因は僕が自分に対して嫌いなところを母が持っていたからだって最近気付き始めてる。親の影響が無い人を羨むのはお門違いだからしないけど、イラッとするのは好きじゃない。少し黙れ。