日帰り


あの娘の街は晴れていたけれど風が冷たかった。繋ぐ指も冷たい。
マダムお久しぶり。シェフにお会いしたのは初めてに近い。
あんな可愛いショートカットは初めて見たかもしれん。ドキドキ。
食べられないブロッコリーのこととか、プリンが美味しかったこと。あんな美味いプリンも初めてな気がする。
カフェに移ってお茶。俺は苦丁茶なるものを頼んだ。めためた苦いですよと脅されながらも頼んだ。肝臓が弱ってるので滋味があるものばかり摂りたがる傾向。苦くないかなと思いきや、やっぱ苦かった。笑えるくらい。


逢える時間はとても短くて寂しくなるけど、でもすごく幸せです。

また7時間揺られて帰るんだ。



帰ってもいつもより疲れてなかった。眠ってもないのに。恥ずかしくて口にしなかったけれど、あの娘の所為なら好いな、なんて考えていた。