夢のつづき わたしの絵本(NHK)
本上まなみさんが絵本「貝の火 (かみしばい宮沢賢治童話名作集)(宮沢賢治・作)」を紹介していました。*1
原作は宮沢賢治全集〈5〉貝の火・よだかの星・カイロ団長ほか (ちくま文庫)に収録されています。
「貝の火」は僕にとって思い入れの深い作品だったので、本上さんが紹介していたのが、ただただ嬉しくなりました。
というのも、小学生のときに僕が通っていた絵画教室で、作品を読んで印象に残った情景を描こう、という題材として扱われた作品だったからです。
ネタバレながら、あらすじ*2を話してしまうと、
うさぎの子『ホモイ』はひばりの子供を助けたお礼に王様から貝の火という不思議な宝玉を貰います。いいことをすればその玉はもっと輝くと聞いて、ホモイはいいことをしようとするのですが、きつねにそそのかされて悪いことをしてしまい、逆に貝の火を曇らせてしまいます。結末として、貝の火は輝きを失い、割れてしまい、その粉がホモイの眼に入り、何も見えなくなってしまいます。
とてもハラハラしながら読みました。ある意味サスペンスです。
子供だった所為もあってか、当時はとても恐ろしく感じたのを覚えています。最後のフクロウの台詞なんか直截的でないはずなのに、まるでホラーです。
あと、絵本作家が面白そうなことをしていました。
紙を長く切り、ペーパーナイフで等間隔に跡を付けてアコーディオン状にします。
そこに自然に一筆描きみたいにしてグルグルしたりカクカクしたりして、表から裏まで繋げて最後一ページ表紙用に残して描いていきます。
イメージとしては昔の星新一の装丁とか、ミラクル (新潮文庫)*3の表紙みたいな感じ。
そこに後付けで物語や絵を付け足していくのです。
とても楽しそうだと思いました。
絵本といえば豆本*4は簡単に作れるので、それと似た印象ですが、もっと気軽に作れそうな感じです。
思うがままに描いていくというのは気が楽ですものね。