syrup16g Hurtリリース記念ツアー『再発』@東京国際フォーラム・ホールA
開場して場内に入るとU2がかかっていた。一階席、左の少し後ろに近い席。広い場内なのにあまり遠さを感じなかったのは、スクリーンに映し出されていたモノリスみたいなHurtのジャケ写の画像がでかかった所為かなと思う。
隣が来てくれるまで一人なので心細く待っていた。仕事終わりでやや開演時間ギリギリに到着した黒猫さんに「新しいアルバムの曲一曲もやらなきゃいいのにね・・・」と、とんでもないことをさらっと言われて爆笑して「Hurtリリース記念なのに!(笑)」「たしかに!(笑)」とか言ってたら照明が落ちて拍手が起こる。周囲の人たちが立ち上がるのに合わせるように椅子から立ち上がる。遠いのであまり何を着てたとかどんな顔してたとかは雰囲気程度にしか分からなかったけど3人が出てきたので拍手を送る。客電が落ちるまで焚かれていなかったスモークがもうもうと焚かれ始めた。SEは特に無し。もしSEあったとしても沸き上がる興奮と歓声の渦に掻き消されて聞こえなかったと思う。ぐわんぐわん歪むような音圧を切り裂くように始まったのはHurtの1曲目【Share the light】。やや歌詞は聴き取りづらいくらいのバランスだったけど、ここからまた始まってゆくんだなあ、の一歩を見守るくらいの感じで拳を振り上げるでもなくゆらゆらと揺れて聴いていた。続くように【神のカルマ】のイントロが鳴らされると周りから「わぁー!」という声が上がる。始まる前にアルバム曲順に演ってたらどうしようっていう不安がちょっとあったんだけど、ドッキリとかじゃないよねともう疑わなくていいホントに帰ってきたんだなという実感を伴った、syrup16gだ!syrup16gがここにいる!という絶対的な揺るぎない感情が俺を支配して前列の奇声を発する女子も気にならないぐらいに*1楽しくなってきた。五十嵐さんの「オイ!」も聴けたし。神のカルマはいつもより優しく歌っていたように聞こえた。
そして続く【Stop brain】、【ゆびきりをしたのは】というCDの中ではお気に入りの曲達でしたが既にちょっと声がバテ気味でどちらかというとがなるような声になってきたのでバテるにはまだ早いぞ五十嵐さんと思いながら聴いていた。
曲が終わりここで初MC。
五十嵐「ようこそぉー・・・来てくれまして、ありがとう!
・・・何とか最後までやりきれるように、がんばりまーす」
少し早口のがんばりまーすという疲れた声に客席から少しの笑いと大きな拍手が起こる。遠く離れてるから全然勘違いかもしれないけど五十嵐さんも少し笑って応えた風に見えた。客席に嘲笑は微塵もなくそこには「帰ってきてくれてありがとう!」「嬉しい!」しかないようで。働いて疲れて帰ってくる愛しいひとを迎えて待っているひとがいる時のような安堵、それを見ることができたら疲れなんて全部吹き飛んでしまうみたいな笑顔。暗くて見えなかったけどそんな顔で溢れていたと思う。俺がそうだったから。
続く【君待ち】はイントロで既に鳥肌が立ってたんですが、背景に大きなスクリーンがあって色々と今までも映し出されてたんだけどVJっていうのかな。映像が流れる。RebornのPVのラストの方の車が走ってるビルの灯りや車のライトなんかの光のうねりみたいな。あんなに早くないけど。東京タワーとかもチラチラと映ってたりしたような。そして、【生活】。全然ベストアクトとかじゃなかったのに何かもう込み上げる思いで泣きそうで仕方なかった。ゆっくりと、でも確実に時間は流れていく。それに抗うでもなく流れに任せるわけでもなくただ待っていた。生活を繰り返して、先の計画も何にも無くて。諦念めいた何も分かってないことを知ってる無知の知をひけらかすでもえらそうに諭すでもなくああもう何が言いたいのか全然自分でも分かんないけどずっと待ってたってそれだけ言いたくて言いたくてライブで意味のある言葉を叫ぶことってホントに無いんだけど曲が終わって拍手が鳴り止んだ頃に「待ってた!」と叫んでた。きっと叫ぶほど大声でもなくて震えて嗄れたひどい声だったと思うけど。
そして7曲目は【哀しきShoegaze】。聴き覚えの無いイントロのようなジャムセッションのような始まりをしていて、CDで聴いたときは変な構成の曲だなって思ってたんだけど、CDよりかなり早いテンポを維持してて個人的にすごいうまい具合にかっこよくライブ化けしてくれたと思った。
<つづく>
セットリスト
- Share the light
- 神のカルマ
- Stop brain
- ゆびきりをしたのは
- 君待ち
- 生活
- 哀しきShoegaze
- 生きているよりマシさ
- ex.人間
- ニセモノ
- ハピネス
- 理想的なスピードで
- 宇宙遊泳
- 落堕
- リアル
- en.1
- イカれたHOLIDAYS
- 希望
- 旅立ちの歌
- en.2
- パープルムカデ
- coup d'Etat 〜 空をなくす
*1:まあちょっと奇声でかすぎて規制したいレベルでしたけど